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講演

【講演動画】日経クロステックウェビナー『緊急討論!総務省にIT企業が猛反発、ネットの利用者保護はどうなる?』に弊社代表のクロサカタツヤが登壇しました。

日経クロステックウェビナー『緊急討論!総務省にIT企業が猛反発、ネットの利用者保護はどうなる?』(2月2日開催)に弊社代表のクロサカが登壇し、その動画が公開されました。

PCやスマホを利用する際の利用者IDや履歴、クッキーなど、通信に関わる情報の規制を巡って総務省とIT企業の対立が表面化したその背景にどんな問題があったのか、通信にかかる情報の保護とはどのようなものかを議論するセミナーにおいて、クロサカからはセミナーの論点と経緯を説明した他、以下をお話させて頂きました。

eプライバシー規則:
eプライバシー規則に”Confidentiality of Communication”があるが、どのような解釈になるかを比較法制の観点で詳細に分析すべきではないか。eプライバシー規則におけるConfidentialityのコミュニケーションは通信の秘密と訳したがるところだが、ここで言われているConfidentialityが従事者の守秘義務であれば、電気通信事業者が守るべき一つの規律だとも解釈できる。

電気通信事業法は誰のために作られたのか、二重規律ではないのか:
電気通信事業法は個人情報保護法制定以前からあり(1985年制定)、また同法第164条(適用除外等)は1999年に定められている。このように、電気通信事業を営む者全体への規律としては以前から存在しており、対象者も届出不要事業者、届出を出さなければならない事業者、登録しないとならない事業者と決められている。そのことが電気通信分野個人情保護法ガイドラインを(個人情報保護委員会ではなく)総務省が定める根拠であり、これは以前から存在しているため、そもそも二重規律ではない。ただし以前からあったから従って欲しいというのでなく、時代にあったサービス形態で、電気通信事業法をどのように世の中に調和させていくのかは、ここから議論が始まるべきで、今回、議論が盛り上がった事を契機にしていくべきではないか。

今後に向けた論点:
電気通信事業法は今回の件に関わらず、世の中が激変しているため、あらゆる手段で不断の見直しを続け、キャッチアップしていかないとならない。 その上で、プライバシーは何か?そもそもその概念以前に、我々はどのような権利や利益を守りたいのか、その結果、誰を守り、誰を規制するものなのかを都度整理しないと解釈がずれていくだろう。 どの法律が良いとう事ではなく、デジタルにさらに依存していく中で、本当に大切にしていくものが何かの議論を続け、要所要所で反映し、規律を作り、事業者と向いあい、個人としても考え方を変えていくことをしないとならないため、今回の件は議論を深める為のきっかけにしたい。

利用者情報の同意:
事前同意の取得から通知公表で良いという報告書案になり、これが後退ではないかという意見もあるが、やや異なる見方をしている。同意の取得を形式的、外形的に定義する事は、技術的にも難しく、消費者契約法の観点からも、有効な同意か怪しい。長い画面をスクロールし、最後に同意するのか同意だろうか。 それよりは、分かり易く明確に通知や公表がされたり、窓口で対応してくれる方が利用者には親切だし、納得感があるだろう。 事前同意を明確にし、契約行為としても成立するようなものを目指す方法もあるが、それ以外の具体的な手段でより消費者の利益を高めていくこともあり得るのではないか。

ウェビナー動画はこちらから視聴可能です。

クロサカ発言は、6:20、53:35、1:13:00、1:22:00から確認頂けます。