【検討会・協議会等】「重点技術作業班(第1回)」に弊社代表クロサカタツヤが主査補佐として出席しました(2025/9/18)
「情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会」の下に新たに設置された「重点技術作業班(第1回)」(9月18日開催)に弊社代表のクロサカが主査補佐として出席しました。
第一回会合では、「重点技術作業班の設置の説明」のほか、クロサカも含めた「ワイヤレス分野の現状について」の発表と意見交換などが行われました。
クロサカは『今後重視する技術とその考え方(私案)』と題した発表において以下を述べました。
・注目すべき技術やその考えを整理すると、3年前に考えた技術テーマとあまり変わらないことに気づく。2023年に総務省の「5Gビジネスデザインワーキンググループ」で発表したスライドにある、Open RAN、クラウドネイティブ、グリーンはアップデートの必要はあるもののあまり状況が変わっていない。
・しかし、3年前と比べ劇的に変わったことはAIだ。AIは今後バブル崩壊を経て適正化を目指す方向に進み、大きな需要が生まれるだろう。また、AI-RANやネットワークAPI連携、分散化による最適資源配置、ソフトウェアにシフトする人材や、データ不足、フィジカルAIの必要性など、いろいろな議論が出ている。
・通信業界から見た従来の価値だけではなく、AI、新たなニーズや社会トレンドを踏まえた価値の再定義、再解釈を行いながら技術や人的資源の開発を進めていくことが必要ではないか。
また、会合全体として、以下コメントを述べました。
・ これまで、スケールさせることに価値を置き、それがビジネスの勝ち筋とされてきた。一方そこに偏重しすぎた結果、外部不経済が発生している。具体的には、経済安全保障問題、クラウド基盤の海外依存によるデジタル赤字、言語によるLLMの品質格差といった課題が顕在化している。
・スケールを重視するあまり、現在価値(将来の価値を現在の価値に割り戻して評価する)で未来を規定しすぎてしまい、結果として通信産業がスマホ依存から抜け出せない構造に陥っているようにも見える。これを打破するには新たなビジョンに基づくゴールが必要だが、その実現には10年、20年という長い時間がかかるだろう。
・しかし、議論すべきは「この10年でどうサバイブするか」だ。技術への注目も重要だが、消費者が何を負担できるのか、またできるのか。あるいは消費者でないとしたら新たな需要を作り出す役割を誰が担うべきなのか。そこに至った背後やそれが変更可能かなどの視点を持ち議論していく必要があるのではないか。
クロサカが発表した『今後重視する技術とその考え方(私案)』スライドはこちらです。
「重点技術作業班」資料はこちらをご覧ください。
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